ランディックス 調査記録(後半)
れもん(t_zuck911)です。
引き続き、ランディックスに関する調査内容です。
前回の記事はこちらです。
調査は主にIRへの問い合わせを活用したので、その内容と所感をまとめています。
(迅速、丁寧な回答をいただきまして、非常に感謝しております)
※調査は半年前であるため現在の状況は変わっている可能性があります
調査内容
(自社で運営しているポータルサイト「sumuzu」に関して)
Q. 物件画像の「NEW」という表示はどのくらいの期間残るのか?
A. 1か月程度。
Q. 掲載されている物件はランディックスのみが扱う物件か? 混在の場合、比率はどの程度か?
A. 混在で、割合は時期にもよるが2~3割程度。
Q. 売却済の物件一覧は、ランディックスの売上げとなったもののみ載っているのか?
A. 全てが当社で成約となったものではない。
所感
月次の情報はIRで公開されていないため、sumuzu内の情報を継続的にウォッチすることで、土地の仕入れ状況や販売数を推測できないか?と考えて質問しました。
結果は、他社の情報も載っていて見分けることはできないので不可能。
この流れで各月の契約数等について公表を依頼したところ「今後の検討材料とする」との回答でしたので期待はしています。
Q. (ストックデータの強みについて)大手のハウスメーカーも顧客データは保有しているが、貴社のデータの強みは何になるのか?
A. ①富裕層に特化していること、②実際に土地を保有して販売しているという実績があり、より不動産売買の現場を熟知した体制があること。結果、取得するデータの質も高いものになっている。
所感
地域の特色をしっかり把握した上でデータを集め、さらに既存顧客との信頼関係を築いている、とのことなので、これは今後も強みになるだろうなと思いました。
Q. (地方都市へのエリア拡大戦略について)その地域の顧客データはどのように集める予定か? 今までのストックデータを活用した営業ができないがどう対応するのか?
A. サービスの訴求対象を拡大することでデータ蓄積は可能と考えている。
所感
データ蓄積はやればできると思いますが優位性を築けるかが課題です。
その地域に根差しているランディクスのような既存の会社に勝っていけるのか、そのイメージが私には浮かびませんでした。
Q. (sumuzuのマッチングサービスについて)パートナー企業の登録料の支払いはどのような形式か?
A. パートナー企業からの登録料は現段階では受領していない。
所感
私が勘違いしていましたが、マッチングが成立した段階でのみランディックスにお金が入るんですね。
今はsumuzuを広げていくフェーズなので、登録料は無しにして敷居を下げてパートナーを集めるという戦略は納得できます。
Q. SUUMO等のような企業と提携してシェアを拡大していくのはどうか。例えば建築コンペの機能で連携できればsumuzuのユーザ増加にもつながらないか?
A. SUUMOとは日常的にやりとりがあるので貴重な意見として持ち帰る。そういったシナジーの期待できる企業との提携は常時積極的に検討している。
所感
個人情報の扱いなど課題はあると思いますが、地方に進出するためには既存の有名なプラットフォームとの連携は1つの手段だと思います。
Q. (ストックデータの活用)大学等と共同研究の実績があるか?
A. 現時点で実績はない。
所感
前回のブログに書いたように、顧客データが古くなると有効性が下がること、データ数自体が増えると人力では活用効率が落ちることが課題だと私は考えています。
データサイエンス(≒AI)の知見は、その対応策の1つです。
加えて、個人的にはこういった分野は大学等と共同研究が基本と思っています。
また、人工知能学会でも2017年から「不動産とAI」というセッションがありますが、同社は聴講していないとのことでした。
ここから本格的なデータビジネスの開始には時間がかかるかなと思い、資金効率を上げるために損切りしました。
(購入する前に調べておけよ、って感じ)
事業展開の中にデータビジネスという単語はありますが、文字の色が薄いので会社の方針としてはまだまだ先と考えているのでしょう。
業績は素晴らしいですが、私は投資の時間軸を数年で考えているので、そことはマッチしないかなというのが感想です。